· 

<No.3>新年に思うこと

新年おめでとうございます。

 

昨年は春の桜の季節から、暑い夏、秋の紅葉、そして例年になく寒い冬将軍の到来が、1ヶ月前倒しでやって来ました。これはちょっとした異常気象ですが、何かの前触れでしょうか。

 

さて この3月末でわが同輩は全員が還暦を過ぎ、新たな人生に踏み出します。

戦前の人生50年とは異なり、いまや60歳では社会的には引退の年にも拘らず、体力・気力ともまだまだ充実しており、引退後の生活設計に悩む人も多いのではないかと思います。

 

60歳は論語では耳順、即ち「誰の言葉にも素直に耳を傾けることができる年齢」とあります。また夫婦生活においいては、40歳代の互いに自己をむき出す戦いの時代から、50歳代のあきらめの時代を経て、60歳代はやっと夫婦の味が分かる時代といわれます。

日本人は精神の基本に仏教や神道を置き、社会生活では和と話し合いで対応する手段 を持ち、一方では明治維新後の資本主義の導入で、利益追求の経済社会を営んで来ました。

 

我々の若い頃はこれらが上手く調和し、敗戦の廃墟から高度経済社会を構築しましたが、バブル崩壊で終焉を迎え、その後の10年間の無為無策が日本社会の多くの部門を先進国の最低水準に押し下げ、いまだにデフレ不況、不良債権の重荷から抜け出せません。

 

少子高齢化が進み、将来に展望が見出せない現状では、我々世代が命ある限り健康で働き続けることが最も必要なのではないでしょうか。

未(ひつじ)年は耐えて待つ年といわれますが、今後も日本人がこうした状況を甘受できるのか、はなはだ疑問を感じます。