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<No.51>W杯とスポーツ雑感

ブラジルのサッカーW杯

  • 世界で最も人気の高いスポーツと言われるサッカーの祭典、ワールドカップ・ブラジル大会が、7月14日の決勝戦に向かって進行中である。さすがサッカー王国だけにチームも強く国民の盛り上がりも半端ではない。
  • この大会のためにブラジル当局としては、多くの道路や施設を建設し、治安強化のためにマフィアと戦い、そして経済の安定にも心血を注いできたが、大会前から国民の反発がひどく公務員や警察官のデモまで行われ、大会の開催成功が危ぶまれていたが何とか無事に終わりそうである。
  • 今回もすでに多くのドラマが生まれ悲喜劇が世界を覆った。中でも前回の王者スペインが予選リーグで予想外の敗退。イングランド、イタリア、など同じくヨーロッパのサッカー王国も抽選の不運があったものの、「死の組」を突破できずいずれも敗退、しかも最下位確実とみられたコスタリカが同組1位通過と予想外の展開になったのも面白い。更にエース・ロナウドを擁するポルトガルも悔し涙を流したが、これらの国々は今後どのような事態が待っている事だろう。
  • 全体的にみると地元の南米勢が出場6チーム中何と5チームも決勝リーグ進出。北中米も4チーム中3チームが勝ち残った事は印象深い
  • 一方アジア勢は日本を含む4チームがいずれも1勝もできず最下位で予選リーグ敗退の苦杯を嘗めた。かつては日本や韓国が予選リーグを突破、活躍した事もあったのに、この惨敗では出場枠が減らされる事もやむをえないだろう。
  • 中でもわが日本の戦いは惨めだった。負けたから言う訳ではないが、今回のチームは国際試合で成績が上がらず世界ランキングも40位以下に低迷していたので、本当にベスト8を狙う力があるのか疑問を感じていたが、不幸にして的中してしまった。
  • 特にヨーロッパの一流チームに所属するメンバーの活躍がほとんどみられなかったのは残念だった。各国のリーグ戦などで使われなかったのはやはり本人たちの実力不足と言うことか。日本のマスコミだけが勝手に贔屓の引き倒しをしていたのだろう。日本は品の良い国柄だから帰国した選手を温かく迎えると思うが、6年後には東京オリンピックが控えているので、今後の日本サッカーの立て直し、強化に向けて一波乱は免れないだろう。

アメリカの大リーグ

  • 一方MLB(アメリカ大リーグ)では日本選手の活躍が目覚ましい。ダルビッシュ、岩隈、黒田の先発陣に加え、上原などリリーフ陣の活躍も光る。イチローもいぶし銀の活躍ぶりだが、今年の目玉は何と言っても楽天からヤンキースへ移籍した田中投手の大活躍だろう。
  • 昨年パ・リーグで前人未到の24連勝無敗の記録を達成し、一昨年から今年まで日米両リーグをまたいで通算34連勝の記録は今後永久に破れ無いと思われる。
  • その昔「西鉄ライオンズ」の稲生和久投手が20連勝を記録したが、この投手は年間勝利数42勝、また30勝以上を4回も達成したほか、日本シリーズでは当時国民的人気のあった「巨人、大鵬、卵焼き」の巨人軍を、一人でひねりつぶした剛腕投手で「神様、仏様、稲生様」とファンから奉られたものだが、その記録を半世紀ぶりに破ったのだから驚きだ。
  • しかしその投球ぶりを見ていると、MLBの強打者に対しても低めに多彩な球種で翻弄し、特にピンチになるほど投球が慎重になり得点を許さない。見ていて実に安心感がある。現在11勝2敗だが、負けた2敗も打線の援護を得られなかった試合であり、登板した全試合で先発としての責任を果たしている投手は大リーグでも彼一人しかいない。これぞまさしくエースと呼ぶにふさわしい投手だ。このまま順調にいけばサイヤング賞(最優秀投手)は確実だし、オールスターやワールドシリーズでの活躍も期待できそうだ。彼のたぐいまれな素質と、人の何倍もの練習ぶりは超一流選手には必須の要件だが、安定した成績を上げ続けるには、やはりよき伴侶が必要なのだろう。その意味ではダルビッシュ投手にも「あげまん」のよき伴侶ができれば、MLB の面白さが更に増すだろう。

日本のマイナースポーツの底上げ

  • ところで東京オリンピックの成功に向けて選手強化の重要性が認識されてきたが、かつての「オリンピックは参加することに意義がある」の言葉はもはや死語になったようだ。日本は金メダル25~30個メダル総数は70~80個と目標は高いが、それならマスコミはマイナーなスポーツにももっと目を注ぐべきではないか。
  • アメリカのプロゴルフで活躍の松山選手や、テニスのツアーで1人頑張る錦織選手、そして陸上競技の100メートルでアジア初の9秒台が期待されるジェット桐生選手などの報道は大いに結構だが、先に行われたバドミントンの世界選手権と言われる「男子トマス杯の初優勝、女子のユーバー杯の準優勝」の日経紙での扱いは、スポーツ欄の最下段に10行ほど申し訳程度に掲載されていただけで、普段なら見落とすところだった。
  • オリンピック種目でもマイナーなのは承知しているが、こういう種目の底上げこそがオリンピックで好成績を収める大事な要素ではないか。高校野球では地方予選から大々的に報道する異常な精神至上主義はぼつぼつ止めないと、いつまでも新憲法の民主主義や男女同権など崇高な理念は生活に根付かない。

追申

  • 「会長メッセージ」も前回で50回を数えたので、ぼつぼつ筆を折るつもりでいましたが、先日偶然同期の2人から「このホームページを楽しみにしている」とのお話を聞き、それではもう少し続けようと思い直しました。
  • もともと皆さんの反応を気にしているわけではなく、自分の好き勝手な事を気の赴くままに書いてきたつもりですが、やはり多くの人が参加することで、このホームページがますます活況になる事は間違い有りません。
  • 遺言代わりにとか動機は別として、色々な話題が投稿される事を期待しています。