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<No.49>新年雑感

新年おめでとうございます!!

 

脱デフレが本物になりつつある

  • 昨年はアベノミックス効果で日本経済にかなり明るい兆しが見えてきた。自民党が直近の衆議院選と参議院選を圧勝して国会審議がスムーズに進展するようになり、政治が混迷から抜け出しやっと決められる政治になってすっきりした。
  • いよいよ「脱デフレ」が本物になりつつある。こうした背景の変化に加え円安が100円を超えるレベルに定着し、産業構造にもかなりの変化が起きつつある。海外からの投資が増え、また観光客も1000万人を超す人々が日本を訪れた。

富士山、和食がユネスコの世界遺産に登録

  • 更には「富士山」がユネスコの世界文化遺産に登録されたり、「和食」が同じく世界で5番目のユネスコの無形文化遺産になったりしで、日本への注目度はますます高くなっているが、極めつけは何と言っても2020年の夏季オリンピック開催が東京に決まった事だろう。こうした出来事が今後にどんなプラス効果をもたらすだろうか。

ロシアのソチ冬季オリンピック

  • 今年は世界的なイベントとして、まず2月にロシアのソチで冬季オリンピックが開催される。情報では施設の完成が遅れ気味で間に合うかどうかわからないともいわれるが、プーチン大統領が威信をかけて直接指揮しているようだから大丈夫と思いたい。日本のオリンピック候補選手はフィギュアやジャンプ、複合、スピードスケートなどで好調な成績が続出しておりかなり期待が持てそうだ。また女子のホッケーやカーリングなどの団体競技も勢いを増している。どうも女性選手のほうが元気はよさそうに見える。

ブラジルのサッカーW杯

  • そして6月にはブラジルでサッカーのワールドカップが開催される。この国も経済が不安定で競技施設やインフラの整備が遅れ気味で不安がある。更に2年後にはリオで南米初のオリンピックが開催されるが、本当に大丈夫なのか大いに疑問だが、とにかくお任せするしかない。
  • とはいえブラジルは世界の名だたるサッカー王国だから、運営には多分問題はないだろう。今回日本は世界で最初に出場権を獲得した国であり、目標はベスト8進出だと言われるが、何としても実現してほしいものだ。

消費税5%から8%へ

  • 国内では4月からいよいよ17年ぶりに消費税の3%アップが実施される。更に来年10月には2%アップが予定され、現状の5%と合わせて10%になる。他にも脱デフレに向けて毎年2%の消費者物価の上昇を国策として推進しており、2年後には消費税5%プラス物価上昇2%×2年=4%合わせて9%の上昇となる。つまり今100円の品物やサービスが109円以上出さないと買えなくなる時代がまもなく来るのである。
  • 今年の3%アップは景気の上昇と5兆円強の補正予算などで何とかクリアできそうだが、来年の2%追加増税はかなり難航するだろう。
  • 最近の消費税の議論で、増税分の負担は企業も消費者も同じと言う説明をマスコミから再三聞かされたが、これには消費税の構造を十分理解していないのではとの疑問を感じる。企業は品物やサービスを売上げた時点で消費税を購入者から預かり、一方企業は他から購入した時には消費税を支払い、最終的に預かり消費税額から支払消費税を差し引いた残額を納税する仕組みだから、税率がどれだけ上がっても企業は1円も負担することはなく、品物やサービスを購入する最終消費者がすべてを負担するのだから、消費税の増税問題は消費者の負担増だけ考えればよいことである。消費増税で購買力が落ち企業収益に悪影響はあるが、税の負担増による減益とは別問題である。
  • 今回の補正予算は景気対策がほとんどで個人への配慮はあまり見られない。逆に企業は国のバックアップを受け金融面からもかなりの恩恵を受けてきたので、今後は従業員へのボーナスやベースアップを真剣に検討しないと購買力が減少してしまう。更に来年の追加増税を控えているが、この時には食料品への軽減税率の導入(5%と10%への分離)を本気で実行しないと、需要が大きく落ち込みまたデフレへの道に舞い戻る事になりかねない。
  • アベノミクスの本質はデフレからインフレへの転換、働く人が報われ、働かざる人は恵まれない信賞必罰の思想である。日本の失われた20年間に積み上げられた負の遺産を解消し、子孫に美田を残す政策である。
  • 資源を持たない我が国としては、農業や医療介護など非効率になったシステムを、TPPなどを通じて世界標準の交易制度を確立し、それに対応できる効率のよいシステムをそれぞれの分野で構築すること、またグローバルに最先端を行く技術やサービスを創造していくことが絶対の条件である。
  • 個人も積極的に働く意欲をもたないと、放置されてしまう時代が来る。甘えは許されないのである。高齢者も今後はますます増えていくので、人生を全うしたいなら自分の事は自分で最後まで責任を持つ覚悟が必要である。
  • アメリカの故ケネディ大統領が就任演説で、アメリカ国民に対し「国が何をしてくれるかを期待するのではなく、国民1人1人が何を国に貢献できるかを考えてほしい」と語りかけたが、日本の安部総理大臣も今全く同じ気持ちを国民に語りかけたい心境だろう。まさに明治維新、太平洋戦争敗戦に続く3回目の変革の大波が押し寄せて来たようである